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『寄り道キャラバン』について/About "Yorimichi Caravan"

『寄り道キャラバン』について/About "Yorimichi Caravan"

この『寄り道キャラバン』というプロジェクトは、ドキュメンタリー映画『BOOKSTORE~移住編~』をアジア各都市で上映し、その都市にあるインフォショップを取材し、アジアのインフォショップについてのドキュメンタリー映画を作っていくというプロジェクトです。来年2015年2月にスタートの予定ですが、準備期間として地球Bのサイト内で細々と情報を更新していこうと思います。

 『寄り道キャラバン』プロジェクトの目的とは、中森圭二郎のドキュメンタリー映画『BOOK STORE -移住編』の上映会ツアーを実施すると同時に、各地のインフォショップを取材したドキュメンタリー映画を制作し、アジア各国において「横断的なコミュニティ」を構築することである。

 キャラバン(caravan)とは、その昔、異なる地域同士の交易を実現するために集められた隊商を意味する言葉として用いられた。商品を輸送するという目的を果たす以上に、横断的な文化の交流・融合が行われていたという。インターネットのような通信網、飛行機や船舶などの物流・移動手段が発達した現代社会において、実際に他の地域に足を運んで自らの商品や展示物を見せ、他文化に触れる行為とは、どんな意味があるのだろうか。それは、「どこにでも」「だれにでも」情報が届くというものではない、<この情報>を<あそこ>に届けたいという、根源的に人がもつ、「つながりたい」欲望を自覚することではないか。日本の有名なドキュメンタリー映画監督の小川紳介や土本典昭は、自ら作ったドキュメンタリー映画のフィルムを持って全国を行脚した。それが後に、三里塚の闘争や水俣病の問題を世に問うことになるが、制作者として向き合ったテーマの持つ深刻さを多くの人と共有したいと思いもあったのではないか。

 ドキュメンタリー映画『BOOK STORE-移住編』は、関東に住む若者、モリテツヤが震災をきっかけに都会での「人を生産者ではなく消費者にさせる」仕組みに違和感を覚え、鳥取県の田舎町に移住し、自給自足のライフスタイル精神に基づきながら自らの夢である古本屋を開店させるため、試行錯誤を繰り返す姿を描いている。モリテツヤが開店しようとしている古本屋とは、人と情報が行きかうインフォショップ(infoshop)のような特徴を持つ「コミュニティ・スペース」である。また昨今、都市・地方に限らずさまざまな場所で人と人とがつながる「コミュニティ・スペース」が生まれている。形態は古本屋、居酒屋、カフェ、そしてアート・スペースなどさまざまであるが、公共施設や大企業が運営するショッピングモールなどとは異なる点は、「コミュニティスペース」を訪れる人々が一方的な「消費」に対して懐疑的で、自らTシャツや音楽、小冊子を制作したり、流通させる中で人とのつながりを作っていこうとするところだ。現在、こうした複合的な空間が東京だけではなく地方にも生まれている。しかし、「コミュニティ・スペース」同士の交流というのは、いまだ多くない。隣の地域の「コミュニティ・スペース」も認知されていないのが現状だ。そういった各地に点在する「コミュニティ同士」をつなげる試みが、この『寄り道キャラバン』だ。   

 2014年本プロジェクト実行委員会の中心団体、映像レーベル・地球Bによって行われた『BOOKSTORE-移住編-』の上映ツアーでは、すでに東京をはじめとする国内8都市11会場で上映活動を行っている。それらの会場はその地域の「コミュニティ・スペース」だ。そして本プロジェクトでは、映画の上映ツアーを通じ、文化交流を目的としたアジア各国の「コミュニティスペース」のつながりを築きつつ、横断的に討議の場を構築することを目指している。また、本上映映画『BOOK STORE -移住編』は古本屋を作る若者のプロセスを描いているが、本編では彼が本屋を完成するまでには至らない。上記で示した『寄り道キャラバン』上映ツアーを達成することで、映画内の主人公・モリテツヤの古本屋とアジアの「コミュニティ・スペース」のつながりをも構築する。また同時に本プロジェクトでは、上映ツアーのアーカイブと各国のスペースを取材することでドキュメンタリー映画を制作し、地域間の違いや特色を盛り込みつつ、共通点を見出し、アジア間での人の流れ・交易を描く予定である。

開催場所

台北

香港

ソウル

マレーシア

インドネシア

フィリピン

を予定。

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